シーバー病、別名セーバー病(踵骨骨端症)は、オスグッド病と同じく成長期の子どもによく見受けられるかかとの痛みの原因の1つです。
この病気は、踵の骨の成長板に繰り返される負担によって起こる炎症が主な原因です。
特に、サッカー、バスケ、陸上など継続的なランニング動作をするスポーツや、剣道や体操などの素足かそれに近い環境で床と接触するスポーツなどによく見受けられます。
接触スポーツ活動が活発な小学生や中学生の中に、この病気にかかる子どもが一定数おり、主に膝からふくらはぎにかけて痛みが発生しやすい病気と言えるでしょう。
ここでは、シーバー病とセーバー病の違いについて詳しく解説します。
シーバー病とは?
シーバー病とセーバー病の違い
シーバー病とセーバー病は本質的には同じ病気で、異なる言葉で表現されています。
地域的にも大人と子どもの間で呼び方に違いがあり、日本では「セーバー病」としての表現が主流ですが、アメリカなどでは「シーバー病」と表現されるのが主流です。
踵骨骨端症の症状とは?
踵骨骨端症では、かかとを押すと痛い、腫れる、スポーツ後にかかとの痛みや熱感が著しくなるなどの症状が特徴です。
特に体育の授業や「運動」中に、かかとに激しい痛みを感じる場合があります。
また、朝起きた際の痛みが強く出やすいため、これらの症状が繰り返すことのないよう、しっかりとした治療や予防対策が必要となるでしょう。
成長期に起こる病気:成長痛との違い
成長痛は一般的に膝やふくらはぎに現れ、痛みの原因が不透明であることが多いですが、シーバー病は明確にかかとに痛みがあり、特に運動時に痛みが発生しやすいです。
シーバー病は単なる成長痛ではなく、特定の原因に基づく障害として分類されます。
成長期特有のこれらの症状を理解しておくことで、適切なケアや治療が可能となるからこそ、具体的な症状については知っておくと良いでしょう。
シーバー病の原因
シーバー病の発症には、成長期特有の骨の特徴が大きく関与しています。
特にかかとに繰り返し負担がかかると、病気の原因となるのが一般的です。
基本的にこの状態は、スポーツなどの影響を受けやすく、激しい運動がシーバー病のリスクを高める要因となるなど、注意が必要です。
ここでは、シーバー病の原因について見ていきましょう。
成長期の骨の特徴
成長期においては、急激な骨の成長によって筋肉と骨のバランスが崩れることがあり、アキレス腱の結合部に負担が加わりやすくなっています。
このような状態では骨自体も柔らかいため、強度が不足しがちです。
かかとの成長板は特に敏感で、繰り返し負担がかかると、痛みや炎症を引き起こす原因となります。
ふくらはぎのストレッチや足の姿勢の確認は、成長期の子どもにおける健康維持策として有効となる他、骨の特性を把握することは、予防対策や早期発見に役立つため、大人の理解が必要不可欠です。
踵(かかと)への繰り返しの負担が原因に
習慣的に行われるスポーツや日常の動作でも、かかとに対する負担が蓄積されることは避けられません。
特にジャンプやランニング、急激な方向転換などを伴う動作は、かかとの成長板に過度な衝撃を与えることがあり、シーバー病の原因となることがあります。
そのため、適切な靴選びが重要です。
クッション性のあるインソールやソールが使用された靴を選ぶことで衝撃を緩和するなど、発症リスクを低下させることが求められます。
負担がかかりやすいスポーツや運動の際は、機材の使用や適切な用具装着を心がけることが大切です。
スポーツに起因するリスク要因
サッカーやバスケ、テニス、野球といった激しいスポーツがシーバー病のリスクを高めることが知られています。
これらのスポーツは、瞬間的なアクションや繰り返し強い負荷がかかるため、成長板に対する刺激が過度です。
こうした状態を避けるためには、スポーツ前に十分な準備運動としてのストレッチや、ケアが必要不可欠です。
こうした予防対策が運動中の負担軽減や予後の改善に繋がります。
適切な手入れと配慮により、子どもたちはスポーツを続けながら健康を維持できるでしょう。
踵骨骨端症の症状と痛み
踵骨骨端症は、小学生を中心に見られる特徴的な症状を持ち、特にスポーツや運動後に「かかとが痛い」と訴える例が散見されます。
この病気の痛みが長引くと、重症化するリスクも伴うため、早期の対応が必要です。
機能障害を引き起こすことは稀ですので、手術での措置が必要な場合はあまりありませんが、具体的な痛みや症状について詳しく知っておきましょう。
小学生に多く見られる特徴的な症状とは
小学生では、踵骨骨端症により両足にかかる負担が原因で「かかとが痛い」と訴えることが多く、特に走る際や階段の上り下りで痛みを伴うのが特徴です。
成長期特有のふくらはぎや膝の柔軟性の欠如が関連しており、しばしば押すと痛いといった症状が見られます。
レントゲンや超音波検査を通じて診断されることも少なくない病気だからこそ、早期に専門医の診断を受け、正確な治療を開始することが重要と言えるでしょう。
スポーツ中や運動後に現れる痛み
スポーツ中やその直後におけるかかとの痛みは、負荷によって生じるため、特に高強度の活動を行った際には注意が必要です。
痛みは運動直後のアイシングによって一時的に熱が収まることで腫れの軽減にも繋がるので、患部を的確に冷やしてあげるのがおすすめと言えます。
加えて、靴の選択やインソールの使用は、足にかかる衝撃を和らげるための効果的な方法となる他、日常的なセルフケアとして、体操や適度な休む時間も取り入れることが重要となるでしょう。
重症化するとどうなる?長引く痛みのリスク
踵骨骨端症が重症化すると痛みが慢性化し、骨折など歩行にも支障をきたす可能性があります。
医療機関での診断が遅れたり、適切な治療法を導入できなかったりすると、痛みが長引きやすいため、注意が必要です。
この病気の慢性化防止には、適切な薬を用いた治療やリハビリによるアプローチが推奨される他、安静が求められるケースも珍しくありません。
症状が改善しても再発を防ぐために、安全に運動を再開するための段階的なプロセスを考慮することが重要です。
中でも、運動復帰の際には装具やサポート機材の利用も検討することをおすすめします。
踵骨骨端症の治療方法
踵骨骨端症に対する治療は、主に保存療法を基本とし、状態に応じて多種多様な方法が選択されます。
アイシングや湿布などの治療は有効ではありますが、根本的な治癒には至りません。
基本はなんといっても安静にすることが第一です。
重症化すると注射治療が必要となることもあるので、十分注意しましょう。
ここでは、具体的な治療法と病院で診察を受ける際のポイントについて見ていきましょう。
保存治療を中心としたアプローチ
最初のステップとして、踵骨骨端症の保存療法が行われます。
これは、症状の緩和と再発防止を目的としており、特に安静を保つことは重要です。
運動制限を実施し、特にスポーツを一時休止することで、かかとへの負担を減少させることが可能な他、アイシングにより腫れや炎症を抑えるアプローチも効果的と言えるでしょう。
他にもストレッチや適切な足のケアを取り入れることで、筋肉の柔軟性を高め、痛みを軽減する手助けとなります。
日常生活においては、足への衝撃を和らげるためにインソールやサポーターを使用し、靴の選び方を工夫することも大切です。
注射治療が必要なケースとは?
保存療法で症状が十分に改善されない場合、注射治療が選ばれることがあります。
この治療法は、患部の痛みや炎症を直接的に抑制するためのもので、主に専門医による判断のもとに実施されます。
しかし、注射により一時的に痛みを緩和しつつも、長期的な管理には繋がらないため、他の保存療法と組み合わせることが重要です。
必要に応じて、炎症を和らげることを目的とした注射を使用することで、早期回復を目指すなど、専門医とともに治療計画を練ることが大切です。
病院で診てもらう際のポイント
適切な診断と計画的な治療を受けるためには、病院での相談が不可欠です。
診断過程では、状態を正確に捉えるためにレントゲンや超音波などの検査が使用されます。
診断結果に基づき、それぞれの患者に合った治療プランを立案し、適用する他、日常のセルフケアと運動時の注意も併せて知っておきたいところです。
生活習慣の見直しと併せて環境を整えることも、再発防止には欠かせません。
専門医からのアドバイスを仰ぎつつ、ケアを続けることをおすすめします。状況に応じた適切な対応を行うことで、症状の改善と痛みの軽減が期待できるでしょう。
シーバー病になったらどうする?
シーバー病になった場合、放置せず軽度なうちに正しい対応とケアを行う事が重要です。
この病気は子供から大人への成長期に起きやすく、スポーツや日々の活動を円滑に行うための正しい知識が欠かせません。
ここからは、スポーツ復帰の目安や治る方法について詳しく解説します。
スポーツ復帰の目安と注意点
シーバー病を発症した場合には、適切な安静と休息期間を設け、無理な運動を避けることが重要です。
医師や専門医の指導に従い、痛みが和らいでからスポーツを再開することが望ましいです。
復帰の目安としては、かかとの痛みが完全に消失し、運動中も痛みや違和感を感じないことが基準となります。
運動前にはもちろん、ウォーミングアップや筋肉のストレッチを徹底することが大切となります。
適切な準備運動により、他の怪我の予防対策にも繋げられるでしょう。
必要なケアと回復を早める方法
シーバー病の回復を早めるためには、日々の適切なケアが重要です。
特に、インソールやクッション性のある中敷きを使い、かかとにかかる衝撃を軽減する工夫が求められます。
また、日常的にアイシングを行い、患部の腫れや炎症を沈静化することも効果的です。
必要に応じてサポーターを利用する他、毎日短時間でも体操をすることで、筋肉とアキレス腱の柔軟性を高め、リハビリの一環として取り入れると良いでしょう。
それによって痛みが長引くのを防げるのではないでしょうか。
日常の食生活においては、栄養バランスの取れた食事を心がけ、特にカルシウムやビタミンDを多く含む食品を摂取すると良いです。
これにより、健康な骨の成長を促進し、病気の回復をサポートします。これらの方法を地道に継続することが、シーバー病の症状改善に繋がります。
家族全体で症状の検討を図り、適切な対策を講じることが快方への道です。
それにより慢性的な問題も防ぎ、今後のスポーツ活動を支える基盤を築きましょう。
踵骨骨端症の予防対策法
踵骨骨端症の発症を防ぐためには、日常生活の中での予防対策が極めて重要です。
健康的なかかとを維持し、スポーツや日常活動を無理なく継続するためにも、ここでまとめる予防対策法について知っておくことを推奨します。
普段からできる予防のポイント
日常で実践できる踵骨骨端症の予防方法には、まず靴の選択が挙げられます。
クッション性の高い靴や、衝撃を吸収するソールは、かかとへの負担を和らげる助けとなる他、靴に加えてインソールを活用することで、さらなるサポートを行うことで、足をより良く守ることが可能です。
定期的なストレッチや体操も取り入れることでアキレス腱やふくらはぎの柔軟性が保たれ、より足全体にかかる負担を減少できるでしょう。
シーバー病を予防する簡単セルフケア
シーバー病の予防を目的としたセルフケアも効果的です。
毎日の習慣として、脚の筋肉やアキレス腱を中心にしっかりとしたストレッチを行う他、日中の活動後にはアイシングで冷やすことや、お風呂で温めることで、筋肉の緊張を和らげ、疲れを取る工夫が求められます。
長時間の運動や激しいスポーツを行う際には、適切な休息を組み込み、安静にすることも重要です。
体を休ませる時間を十分に確保することで、症状の予防対策に役立ちます。
かかとへの痛みの兆候を見逃さない方法
かかとに痛みや違和感を覚えた場合、その症状は踵骨骨端症の予兆かもしれません。
そのため、日頃から定期的なチェックを行い、早期に兆候を察知することが肝要です。
もしも痛みを感じた時には、無理をせず専門医に相談することを推奨します。
適切な検査や診断を受け、迅速に治療を開始することで、症状の悪化を防ぐことができ、健康的な生活を維持しやすくなるでしょう。
早期の対応と継続的なケアが、未来の健康を守るための鍵となります。これらの予防策を日々の生活に取り入れ、踵骨骨端症の発症を効果的に防ぎながら、健やかな足の健康を維持することが大切です。
まとめ
踵骨骨端症、またの名をシーバー病やセーバー病と呼ばれるこの病気は、成長期の子どもによく発症し、特にスポーツをする子どもたちに見られます。
一方で適切な予防対策と対応を行うことで、痛みを和らげるだけでなく、再発を防ぎ、健康的な生活を維持することが可能です。
まずは症状の理解から始め、日常のケアを徹底しましょう。
靴選びやインソールの使用、ストレッチによる筋肉の柔軟性保持が重要です。
また、週に一度の定期的なチェックにより、兆候を早期発見することが大切と言えます。
もしも症状が現れた場合には、専門医の診断を受け、適切な治療方針に従う他、無理な運動を避け、適度な休息を取りながら治療を進めましょう。
なお、薮下整骨院では、交通事故やむちうちだけでなく、骨に関するお悩みもご相談いただけるので、気軽にお問い合わせください。